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不動産契約書の読み方(ページ1)

これだ!という物件が見つかったら、バイヤーは何をしたらいいのでしょうか?そうです。オファーを出さなければなりません。でもオファーとは何でしょうか? 下の1-3から正解を選んでください。(カリフォルニアの住宅物件の場合)

 1)「この額なら買います」という金額提示

2) 金額はさておき、買う意思があるという意思表示

3) バイヤーがサインした売買契約書

 正解は(3)。(1)だと思っている人が結構多いのですが、オファーというのは実はバイヤーだけがサインした契約書のことなのです。もちろんその中に金額も書いてあるのですが、それをセラーに渡して「こういう条件ですが、サインしてくれますか?」と持ちかけるのです。

 ですので、「まだ家を見ているだけだから、契約書なんか分からなくてもいいや」とのんびりしているわけにはいきません。もしも明日気に入った家が出現したら、すぐに契約書(=オファー)にサインしなければならない(!)ので、家探しをしながら、契約書にも徐々に目を通しておくことをお勧めします。もちろん契約書はバイヤー側のエージェントが作成しますが、エージェントと相談しながら自分で変えられる条件がいろいろとあります。サインする前に、自分はどういう条件をセラーに出しているのかが分かっている必要があります。

 逆に、自分がセラーで今自分の家を売り出しているとしましょう。MLSにリスティング情報が載った直後に、このような契約書(=オファー)がリスティングエージェントのところにメールされてくる可能性があります。セラー側もバイヤーがどういう条件で家を買おうとしているのか、契約書を読んできちんと分かっている必要があります。

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ここではカリフォルニア州で1から4戸建てまでの不動産売買契約に使用されるスタンダードな契約書、RPA-CA(California Residential Purchase Agreement and Joint Escrow Instruction)の一ページ目に何が書いてあるのかを説明したいと思います。(出来るだけ短時間で最後の8ページ目まで説明するように努力しますね!)

  

項目1.オファー

A.ここにはバイヤーの姓名を書きます。自分だけがバイヤーなのか、妻や夫もバイヤーなのか、頭金を出してくれる親はどうなるのか、考えてみましょう。

 B.ここはオファーを出す物件の住所などです。Assessor’s Parcel No とは、不動産に税務署が付けた番号のことです。

 C.ここにはオファー金額を書き込みます。

 D.Close of Escrow:ここにはエスクロー期間を何日間にするのかを書き込みます。何月何日と日付を書き込むことも出来ますが、通常は30日間などの期間を記入します。オファーを出しても相手がいつサインして返してくれるかわからないので、期間を書いた方が簡単だからです。でも引越し予定が決まっている場合などは、日付を書いた方がいいかもしれません。

エスクロー中、最も時間がかかるのがローン。まずローンの審査が始まってからローンのお金が振り込まれるまでだいたい何日間かかるかをローン担当者に聞きいて調べましょう。スタンダードは30日ですが、ローンの種類によっては45日以上かかることもあります。

 

項目2.エージェンシー

A.ここには“不動産エージェントとバイヤーやセラーの関係を説明した別の書類 (ADと呼ばれます)を既に受け取ったことを確認します”と書いてあります。ADもオファーと一緒に提出しなくてはなりません。

 B.ここには“バイヤーの場合は現在使っている不動産エージェントがこの物件を買おうとしてる別のバイヤーにも雇われているかもしれない、セラーの場合は今使っている不動産エージェントが競争相手になる似たような物件をリスティングしているかもしれない、ということが書かれた書類(DA)を既に受け取りました”と書いてあります。DAはセラーには関係ないのでオファーと一緒に出す必要はありませんが、本来はオファーを書く前に読んで、サインをしておくべきです。

 自分のエージェント個人がが別の競争相手の別のバイヤーやセラーにも同時に雇われているということはごく稀にしかないと思いますが、そのエージェントが所属している会社に所属する別のエージェントが競争相手に雇われているということは十分ありうると思います。

 

項目3 ファイナンシャルターム

 A.イニシャルデポジット:ここにはオファーがアクセプトされたらエスクロー会社にバイヤーが支払うデポジット額を記入します。いくつかオプションの□がありますが、これをどれもチェックしないスタンダードな場合は、オファーがアクセプトされたらバイヤーが3日以内にエスクロー会社にチェックを持っていくことになります。銀行振込みにしたり、チェックをあらかじめ書いてバイヤー側のエージェントに預かってもらっておくことも出来ます。デポジットの金額は通常は購入金額の3%になります。価格が非常に安い物件などでは10%を要求されることもあります。

 B.デポジットの増額:オファーがアクセプトされてから一定期間内にデポジット額を増額する場合に記入しますが、このような増額は稀にしか行われません。

 C.ローン

(1)ファーストローン:ここには住宅購入ローンで調達する金額を記入します。ローンの種類がFHA、VAの場合は該当する□をチェック、セラーがバイヤー向けにローンを組んでくれる場合(最近はめったにありません)には、その該当ボックスをチェックします。

 (2)セカンドローン:ローンを二つ借りる場合は、ここに1と同様に記入しますが、最近はローンを二つ借りるケースはあまりないと思います。

 (3)ここには“FHAやVAローンを借りるバイヤーは○日以内にローン会社が要求する修理内容や、その他セラーにやって欲しいと思っている修理内容やそのコストを知らせなければならない“と書かれています。スタンダードは17日間です。

政府がバックアップしているFHAやVAローンには、優良な住宅ストックを増進するという使命があり、基準に合わない住宅には貸し出してもらえません。ですので、物件に問題が見つかると、その問題を直すまでローンがおりないことになります。そこで「そういうことはちゃんと早めにセラーに言ってくださいよ」という意味で作られたのがこの項目なのです。ただしセラーには要求に従って修理をしたり、そのコストを負担する義務はありません。

 D.その他のファイナンシャルターム

A~Cに該当しないその他の金銭関係の条件を記入します。セラーにクロージングコストを支払ってもらいたい場合は、ここにその金額を記入します。

 E.エスクローがクローズする時にバイヤーが振り込む金額を記入します。この金額とAのデポジットを合計した額が頭金(=ダウンペイメント)になります。

 F 購入金額。A~Eまでの合計になっているはずです。

 以上が一ページ目の内容です。

 次回は2ページ目をご説明します。

 なお、このコラムの目的は契約書のおおまかな内容を一般的読み物としてできるだけ楽しく概説するもので、契約書内容を正確に解説・解釈するものではありません。実際に不動産契約書を提出したり、受け取った場合は、ご自分の不動産エージェントからきちんと個別の状況に即した説明を受けてください。資格のあるエージェントの助け無しにこのコラムから得た情報によって契約書を解釈したり、自分で契約書を作成することは絶対にお勧めできません。またその場合に生じた損害等については一切責任を負いません。

アメリカの不動産バブルと価格の今後について考える

不動産バブル崩壊

私がロサンゼルスに引っ越してきたのは1994年。その後、行ったり来たりは多少あったものの、それ以降の生活はアメリカがベースになっています。当時、日本はバブル崩壊直後で経済情勢は日々激しくなりつつあり、私が勤めていた住宅都市整備公団(ニュータウン開発を担当していました)も民営化が始まるところでした。

日本に比べれば景気のいいアメリカに越してきたつもりだったのに、10年ちょっとでなんとアメリカでもバブル崩壊。リーマンショックとい言われますが、大不況の本当の理由は日本と同じ不動産バブル。にもかかわらず!!私はバブル崩壊がこれほど大きく来るのを予測できませんでした・・・。アメリカの大多数の人と同じように「アメリカは大丈夫、日本とは違う」「アメリカには世界の富が集まってくる」と思っていた・・・というか、疑うきっかけがなかったんですね。今から考えると何を考えていたんだか。なんとなーく危ない気はしていたものの、「今がピーク、今すぐ家を売ろう」とかいう決断をするまでの確信は全くなく、「しばらくしたらこんなには上がらなくなるだろうな」ぐらいに思っていたんですね。

以下のチャートで見ていただく通り、カリフォルニアでも2007年夏から2009年冬までの不動産の下げは半端ではありません。しかも株価も崩壊。ノイローゼや不眠症になった人も多いと聞きます。

 

Source: DataQuick

 

アメリカ不動産価格の推移

ちなみに以下はRobert Shillerという経済学者がつくった、あまりにも有名なアメリカの住宅価格推移グラフです。1890年を100としてアメリカ住宅売買の圧倒的主流である中古住宅価格の推移を示しています。重要なのは“このグラフではインフレ率を考慮してある”ということで、もしもグラフが完全に横一直線だったら、住宅価格はインフレ率で上昇してきたということになります。

もしグラフが常に横一直線だったらそんなにすばらしいことはありません!

これでみると第二次世界大戦後から2000年ぐらいまでは凸凹はあるものの大体横一直線に近く、「インフレ率と同じに価値が上昇し、何百年経っても消滅しない投資など土地以外に考えられない」「なんて安全ですばらしい投資なんだ」「しかも自分の家なら管理も簡単だ」と思われていたわけです。

 

それが変わったのが2000年頃。実は私の家族が自宅を買ったのが2000年だったのですが、そこからの急上昇は不動産をまるで株か何かのように投機的に見る、大量の人たちを生み出してしまいました。不動産にインフレ率以上の上昇を期待するだけでなく、そういう風に上昇してくれないと破綻するようなローンの借り方をする人が、出現してしまったのです。

(グラフをダブルクリックすると大きくなります。このグラフはインターネット上に多数掲載されています。)

ちなみに以下はカリフォルニアの失業率のグラフです。これでみると、これまでは地価は失業率に連動して上がり下がりしていたのに、2003年付近の失業率の上昇は全然地価上昇に影響を与えていないことが分かります。それほど今回の上昇は例外的な訳ですね。

 (グラフをダブルクリックすると大きくなります。)

 

これからはどうなるのでしょうか?

先のグラフを作ったShillerさんの予測は、当然ながら家の価格はいつかはベースラインの指標110ぐらいに戻るというもので、現在140ぐらいになっている価格はまだ下がると言っています。

ただし、勢いの良い下げが一度現在価格で止まっていることは確かで、指標140付近で今後平らになってしまうことも、もちろん考えられます。アメリカ国民は全員一度家の価格が指標200を超えるのを見てしまったわけで、そういう経験をした後に、「ネバーマインド! 家の価格はやっぱり100なのが普通」と、これまた全員が思い直せるでしょうか?

買い手はともかく、売り手の方はなかなかそうは思えないと思います。それは私たちエージェントが家をリスティングする時、オーナーの方に値段を下げてもらうのが今ものすごく難しい状態なことからも実感できます。買い手が「100が普通。そこまで戻るまで本当は買いたくないな」と思っているとしても、売り手の方は「本来は200が普通。そこに戻るまでは売りたくない!」と思っています。そして、その中間の150付近で止まった・・・というのはなんか分かる気がしません?

2007年のバブル崩壊を予測できなかった私に将来予測ができるはずはありませんが、私は現状価格でフラットのまま(つまりインフレ率相当で上昇)なのではないか、と思います。最悪ケースでも、小さな上下を繰り返しているうちに高めのインフレが来て、インフレと上げ幅の差で指標110付近に戻るのでは、と思いますが、どうでしょうか?

いづれにしても、今後びっくりするような動きはあまりないのでないでしょうか。(私の予想はまたはずれかもしれませんが)今、家が必要なら買った方がいいと思います。万が一Shiller さんが正しくて、指標110とか120まで不動産価値がいつかは戻るとしても(そうなるかどうかはわかりません)、それまで待っていたらすごい時間がかかってしまうのではないでしょうか。そうなると現在の超超低金利も利用できませんし、子供の学校も安定しませんし、その間の家賃支払いも無駄になります。

「インフレ率相当で上昇する投資」としての不動産投資の価値は長期的には変わっていないと思いますし、家を持つということには、住処の保障、自分で自分の住む空間を好きなようにコントロールできる、という投資以上の大切な意味があることも忘れていただきなくないと思います。

皆さんはどう思いますか? コメントをお待ちしています。

ちなみに2000年から2012年まではインフレ率だけで物の価格は30%ぐらい上昇しています。10年前に買った株が3割上がっても、全然喜べないわけですね。日本の普通預金にある預金はたぶんゼロ金利に近いので3割目減りしたことになります!!!

(インフレ率について、詳しくはこのサイトのインフレ計算機をご利用くださいhttp://www.usinflationcalculator.com/

 

 

オファーはいくらで出したらいいの?

物件をいろいろと見て回って、ついに「これだ!」という家が見つかったとします。リスティング価格は$580,000。さて、いくらでオファーを出したらいいのでしょうか?

 「$580,000で出てるんだから、オファー価格は当然$580,000でしょう」と思いますか? それとも「言い値で買うなんてバカらしい。$500,000から交渉を始めて$550,000で折り合わせよう。向こうもその気で高めに出してるに決まってるんだから」と思いますか?

 答えはどっちも×。正解は「リスティング価格はセラーが望む価格だけれど、オファーすべきなのは市場価格。まずは市場価格を調べよう」なのです。

 ★市場価格とオファー

 なぜ、オファー価格は市場価格がいいのでしょうか。その理由は、市場価格はたぶん他の人がオファーする価格でもあるからです。たとえば今、買いたい思った家が市場価格よりも多少高かったとします。そのような家には他からのオファーが集まりません。そうするとオファー価格よりも低い市場価格でオファーをだしても、他には競争相手がたぶんいないので、セラーは市場価格まで妥協してくる可能性が大きくなります。反対に買いたいと思った家が市場価格よりも安く出ているとします。格安物件にはバイヤーが集まりますので、バイヤー同士の競争になり、結局家は市場価格近くで売れる可能性が高いでしょう。どのような価格でリスティングされていても、結局は市場価格付近で売れる可能性が最大なのです。

であれば、こちらが出すオファーも市場価格で出しておけば、希望の家を逃すリスクは低く、支払い過ぎになるリスクも少ないのです。

 では、家の市場価格はどうやって調べたらいいでしょうか。これはバイヤーのエージェントの仕事になります。通常は希望の家から1/4マイル程度の過去1年間などの販売記録を引き出し、その中で最も似た家(俗にコンプと言われます)を探し、それをベースに市場価格を割り出します。ただし機械的にやっただけでは正しい価格は割り出せません。たとえば地形の高低差が激しい地区では、必ずしも近い家がコンプになるとは限りません。崖の上と、崖の下では別世界ということもあります。崖がなくても、大きな通りや、学校区のラインなどで全く価格が違ってしまうこともありいます。また不動産価格が大きく動いているときは半年前の価格では古すぎて参考にならないこともありますが、逆に最近のように価格が比較的フラットな時は2年前に売れたものでも直近の物件があればそれがコンプになることもあります。ですが、このようにして出した市場価格を見てびっくりするバイヤーさんはまずいません。たくさんの物件見てきたバイヤーさんが、「これくらいなら出してもいい」と思う価格は、たいていは正しい市場価格になっていると思います。

 家は全て条件が違うので厳密な数字を出すのは難しく、市場価格は「○~○ドル」というような幅を持った範囲で表現されることが多いと思います。「どうしてもこの家が欲しい!!」と思ったらこの幅の中で上限、「だめだったら他の家を買うからいい」と思えるなら下限でオファーを出すのがいいと思います。

 ★リスティング価格が市場価格よりも低いとき

 リスティング価格が市場価格よりも低い物件にはバイヤーが集まるので(マルティプルオファー)、オファーはリスティング価格を上回ることになるでしょう。「言い値よりも高く出すなんてとんでもない」と思うかもしれませんが、リスティング価格よりも高く売れる物件はたくさんあります。一定エリアでどれくらいの割合の物件がリスティング価格を上回って取引されたか、などの統計もありますので、参考にするのがいいと思います。マルティプルオファーの場合、リスティングエージェントは他のオファーがいくらかは決して口にしませんが、うまく話をすれば大体の感触を得ることが出来る場合もあります。

 「カウンターオファーが来るからはじめは低めに出す方がいい」という人もいますが、特に複数のオファーがある場合、私はこのような考えにはあまり同意できません。世の中にはカウンターオファーを出さないセラーもたくさんいます。低めに出すと、「本当はもっと高くても買う気だったのに、低めに出したために他の人に売れてしまった」ということになりかねません。今現在複数のオファーが無くても、いつ何時他のオファーが舞い込むか分かりません。よほど人気がなかったり、買うのが難しい物件だったり、また「買えなかったらそれでもしかたない」と思う場合は別ですが、それ以外はベストのオファーを出して、あとはカウンターが来ても小額を上げるだけにするのがいいのではないでしょうか。

 ★リスティング価格が市場価格よりも高いとき

 反対に希望の家が市場価格よりもずっと高くリスティングされている場合はどうしたらいいのでしょうか?

 リスティングエージェントは通常、「市場価格よりもちょっと安め」の価格をセラーに推薦します。でも、売る方は「自分の家は世界最高の家だから、普通の家よりも高く売れるはずだ」とどうしても思ってしまうので、必ずしもリスティングエージェントに同意するとは限りません。バイヤーと違って、売り手は他の物件をたくさん見ているわけではないので、市場が全然分かっていない人もたくさんいるのです。

 このような場合、これまでの値引きの記録をまず見ます。特に銀行所有物件の場合顕著なのですが、たとえば月1回$10,000引くというようなパターンがある場合は、それを先取りした価格、つまりリスティング価格よりも$10,000低くてもまずOKだと思います。さらには、セラーが今いくらローンを抱えているかを調べます。厳密な価格はわからないのですが、いついくらのローンを組んだかから大体算定することが出来ます。一般的に言ってセラーは「足が出てしまう状態」、つまりローン残高+クロージングコスト以下では売らないと思います。またセラーがいついくらで購入したのかも調べます。昔に安く買っていて、利益が出るのならリスティング価格よりも引いてくれる可能性が高いと予想されますが、これは人にもよるでしょう。あとはやはりリスティングエージェントに電話して、セラーは値引きする可能性があるのかを聞くことになります。

 以上より値引きに合意してもらえる可能性があるなら、リスティング価格よりもかなり低くてもオファーを出す価値はあると私は思います。「セラーに失礼になる」という人もいますが、市場価格のオファーであればそんなことはないと思います。オファーの書類に、「周囲の物件を調べた結果はこのようになっていて、私はこの家がこのような理由で大好きだから、○ドルという非常にフェアな価格でオファーを出したい」というレターをエージェントに書いてもらって添えれば完璧でしょう。ただしリスティング価格を$20,000以上下回ると、かなりダメもとではありますが。その場合は、セラーが値引きするのをしばらく待つのもいいかもしれません。

 オファー価格を正しく決めるのは物件獲得のためにとても大切です。とくにセラーに利益がないため、激安値段でとりあえず出しているショートセール物件だと威力絶大です。先日も超激安のショートセール物件に、リスティング価格をはるかに上回る&それでも市場価格よりはずっと安いオファーを出した私のクライアントのオファーが、多くのオファーの中からアクセプトされました。リスティング価格よりも$40Kも高いオファーを出すのは抵抗があったと思うのですが、それを乗り越えてクライアントが価格の構造をきちんと理解していただいたのがありがたかったです。

 

マウント・ワシントン地区 (ノースイーストロサンゼルス、Zip Code 90065)

私が10年以上在住しているのが、このマウント・ワシントン地区。ダウンタウンから高速110号線で約15分という便利さが魅力で、映画関係者などが多く住む、リベラルでアーティスティックな住宅地として知られています。

 「マウント(山)」という名前の通り、地区はかなり標高の高い丘陵地とその裾野から成り立っています。山の近くにはSea View Avenue, Sea View Drive, Sea View Lineという3つのSeaView通りがありますが、ビーチから50kmぐらい離れているにもかかわらず晴れた日にはちゃんと海が遠くに見えます。Sea View 通りは途中から山の頂上を巡るトレイルになっていますが、そこからはグリフィスパークの天文台、ハリウッドのビル、サンタモニカ、ウエストウッドなどウエストロサンゼルス全般を海まで見渡すことができ、特に夕日が沈む様は絶景です。

 Sunset Mt. Washington

マウントワシントンでもっともメジャーな通りは山の下から頂上まで抜けるSan Rafael通り。この通り沿いにはAPIスコアが900に近く、北東ロサンゼルスで最高クラスのマウントワシントン小学校があります。その先には元はホテルだった敷地にSelf Realization Fellowshipという宗教団体の総本部が立地。さらに1,2ブロック先にはロサンゼルス市長のAntonioVillaraigosaの自宅があります。

 

マウントワシントン地区は地区全体が住宅地のため、商業施設や大規模アパート、コンドミニアムなどはありません。そのためロサンゼルスに長く在住している人でも、マウントワシントンがどこにあるのか知らない人も多いのですが、2000年頃からはウエストロサンゼルスからの高所得者の流入が進み、家の購入を考える人の間では非常に人気が高まっています。私の自宅付近でも、引っ越してきたばかりの頃は、近所の人はヘアドレッサー、コントラクターなどだったのですが、数年のうちに医師、テクノロジー会社経営者など、これまでと少し違う雰囲気の人が直ぐ近所に住むようになり、それに合わせて山裾のイーグルロックハイランドパーク地区に寿司屋、おしゃれなコーヒーショップ、ギャラリー、ワイン専門店などがオープンし始めました。

 

このような人気の理由の一つはやはりマウントワシントン小学校。ダウンタウン付近で成績の良い小学校というとモントレーパーク地区、サウスパサデナ地区などになりますが、マウントワシントン小学校はそれらの地区に決して劣らないいい小学校で、しかも地価はそれほどでもないというのが家を探す人にとって大きな魅力になっています。残念なことにマウントワシントン地区専用の中学校というのはないので、中学校からはいい学校に行ける保障はありません。ただしサウスパサデナ市の中学校は市外の子供も条件が合えば入学を認めている他、優秀な子供(ギフティッドの子供)はイーグルロックのギフティッドマグネット中学校・高校に進学するチャンスもあります。ほかにも質のいいチャータースクールやマグネット校もあるので、「子供が中学校に入ったら引っ越すか、私立しかない」というわけでは決してありません。

 

人気のもう一つの理由は眺めと緑。先ほどのSea View Avenueからのような絶景が家の窓から眺められる家がマウントワシントンにはたくさんあります。また斜面のため建物をびっしりと建てることができないので、マウントワシントン地区には緑がたくさん残され、「リゾート的」な環境を作り出しています。

 

気になる地価ですが, 家の値段は標高が高いほど高くなっていますが、2011年に売られた物権をみると、平均価格は$482,000で平均床面積は1516SqftSqftあたりの価格は$342になっています。そのうち2寝室の物件だけをみると、平均価格は$390,000、平均床面積は1020SQFTSQFTあたりの価格は$3743寝室の物件では平均価格$548,000、平均床面積1592SQFTSQFTあたりの価格$3334寝室では平均価格$648,000、平均床面積2272SQFTSQFTあたりの価格は$297です。物件の数は3寝室のものが一番多くなっています。

コンティンジェンシーって何?

A Small House

不動産購入契約の中によく出てくるのがこの「コンティンジェンシー(contingency)」という言葉。不動産契約において、とても大切なコンセプトなので、ここで簡単に説明してみたいと思います。

 

辞書で引くと、[偶然性{ぐうぜんせい}、偶発性{ぐうはつせい}、不確実性{ふかくじつ せい} 、不測の事態]}などという訳が出てきますが、不動産契約のcontingencyの説明には、あまりなっていません。むしろ不動産契約におけるコンティンジェンシーに日本語で一番近いのは「キャンセル条件」という言葉ではないかと私は思います。

売り手と買い手がエスクローに入るときに初めにサインするカリフォルニア州のスタンダードな契約書は、様々なキャンセル条件がたくさんついた条件付契約書です。それは「わかりました。絶対に購入します!!」という約束では全然なく、「○○と○○と○○と・・・がOKだったら購入します」という実に不確かな合意。気分的には「うーん、もしかして問題が全然なかったら購入・・・するかもねー。」ぐらいのものなのです。

この「○○がOKだったら」の○○にあたるものがコンティンジェンシー(キャンセル条件)。買い手はそれに満足できなかったら契約を解除してかまいません。ペナルティーも科せられません。

コンティンジェンシーはいろいろありますが、中でも一番大きいのがPhysical Inspection Contingency。当初の契約に売り手と買い手がサインをしたら、売り手は家調査の専門家(ホームインスペクター)を雇って調査を始めます。その結果はレポートにまとめられますが、もしもそこで何かの問題がみつかったら契約を解除して構いません。他に売り手の方からも、権利関係を調査したレポート、周辺の自然災害の起こりやすさなどを記したレポート、売り手が物件について知っていることを書いた書類などが届けられますが、それらも全部contingency(キャンセル条件)ですので、目を通して大丈夫かどうか確認しなければなりません。

カビは大丈夫か、下水管は壊れていないか、市からの建築許可はおりているのか、近所に性犯罪者は住んでいないか・・・。調べるべきことは数限りなくあります。しかし売り手としては、買い手が世の中に存在する全ての調査をするのを待っている訳にはいきません。そこで「調べることはたくさんあるだろうけど、調査にかけられる期間は○日間」と、コンティンジェンシーを使って契約解除できる期間(コンティンジェンシー期間)が契約書内で定められています。

このコンティンジェンシー期間はオファーに書き込んで、先に売り手が提示します。スタンダードは17日間ですが、売り手としては短いほどありがたいわけです。そこでオファーを魅力的にするために10日~12日間に設定することも多く、投資家などは1~3日で提示することもあります。(中には全キャッシュ、コンティンジェンシー一切無しというオファーを出す人もいます。)

Inspection Contingencyに並んで大切なのがローン・コンティンジェンシー。これは通常17日間で、その間にローンがおりないことが分かったらそれを理由に契約を解除できます。

このようにカリフォルニア不動産の買い手はコンティンジェンシーによって、手厚く守られています。万が一、深く考えずにオファーを出してしまってそれが仮にアクセプトされてしまっても、契約後にも考えたり、調べたりする時間がたくさん残されています。

契約手続きや解除には手間も時間もかかりますから、手当たり次第にオファーを出していいとは思いません。でも直感は大切。「これだ!」と感じたら迷い過ぎずにオファーを出すことも重要だと思います。

アメリカ賃貸住宅投資  「現在の約9万ドルの投資がリタイア後、年3万ドルの収入となって返ってくる!」 実例で説明してみましょう

地価が激安の今、ロサンゼルスでは賃貸物件を購入する人が増えています。

 

日本で「アパート経営」というと、中小企業のオーナーとか、昔からの地主など、お金に相当な余裕がないと出来ないような印象がありますが、ロサンゼルスではごく普通のサラリーマンの方でも結構気軽に賃貸物件を買う場合が多いようです。

 

 という私も賃貸住宅オーナーの一人。土地バブル崩壊直後に小さなDuplexと呼ばれる、2軒で一つの建物になっている賃貸住宅を自宅付近で買いました。建物の手直しに思った以上の費用がかかりましたが、いいテナントさんに恵まれて自分の時間をほとんど使うことなく順調に経営しています。まだまだ賃貸物件は買い時なので、できればもっと物件を購入したいと思っています。 

 

 このように結構気軽に始められるアメリカでの賃貸住宅への投資。いったいいくらぐらいの利益が出るのでしょうか。

 

以下簡単に事例で説明してみたいと思います。

 

 これはロサンゼルス付近で物件が安価でハイリターンが得られる割に危険はさほどでもない(個人お感覚によりますが)ために、賃貸住宅投資先として人気が非常に高いイーストロサンゼルスにあるボイルハイツ地区での事例です(住宅投資に対するリターンは地価が安く、従って治安があまりよくない地区ほど高くなる傾向があります。ハイリスク=ハイリターンというわけです。)

 

 例えば4ユニット(全部1寝室1バスルームですが、古い建物なのでかなり広くゆとりある間取りです)のアパートを$285,000で買ったとします。

 

 賃貸料は 1号室 $830    2号室 $820    3号室 $600 号室     $ 350                    合計     月額 $2600

 

です。(余談ですが、同じ間取りでも賃貸料に差があるのは、ロサンゼルスではレントコントロールという決まりがあり、年間決まった割合しか値上げできないからです。オーナーが変わっても賃貸料は前オーナーの時から決まり以上に上げることはできません。一般的には古くから住んでいる人ほど賃貸料が安くなります。)

 

 頭金30%=$85,500ドル、クロージングコストが$8,550で、30年ローンを組むとしましょう。ローンの利子率は常に変動しますが、ここでは仮に5.1%としてみます。固定資産税が購入価格の1.125%、火災保険が年$1500、庭などの掃除段が月$50とすると、ローンなどの毎月の支払いは$1525となります。つまりすべてが順調に行っているときは月額1075ドルの収入になるわけです。

 

 テナントが出て行ってしまってしばらく空き家になってしまったときの収入減や建物の修理費用をこの収入から出さなければならないので、収入全部が利益になるわけではありません。ですが初期費用約$94,000ドルの支払いで、もしも今後土地の値上がりがインフレ率ぐらいだとしても、30年後には現在価値で$285,000の物件が手に入り、しかも毎月現在価値で$2600の収入が得られることになります。しかもそれまでの30年の間も、常に収入が毎月入ってくるわけで、「苦労してローン完済を待つ」というよりは、「収入を得ながら楽しく過ごす」というのに近いと思います。これは普通に考えて、かなりおいしい話だといわなければなりません。今あなたが30―35才だったら、定年退職後を考えるとびったりですね! そんなに若くてたくさんの貯金がある人は少ないかもしれませんが、もしもあなたがその一人だったら、ぜひ将来のためにこのような投資を考えていただけたらと思います。(ここでは頭金30%としましたが、状況によっては20%、自分でユニットの一つに住むならもっとずっと低くても大丈夫です。ご相談ください。)

 

 今度はあなたが定年後の生活を考え始めている50才ぐらいだったとしてみましょう。アメリカではそれでも30年ローンを普通に組むことができるのですが、15年ローンにして65才ぐらいになったときにローン完済。賃貸料のすべてが懐に入ってくる(といっても修理代や固定資産税の支払いは忘れないでください)状態にしたいとします。

 

 利子率は常に変動しますが、ここで仮に15年ローンの利子率を4.8%としてみましょう。上記と同じ条件だとすると毎月のローンなどの支払い(固定資産税、保険料など込み)は約$2000。大きな修理が出たりや空き家になったりするとマイナスになる時期もあるかもしれませんが、普通は他からの収入をどんどんつぎ込なくてはならない状況ではないと思います。

 

 また15年、30年の長い間には現在マーケットレートの賃貸料を支払っていない2軒のテナントが必ずいつかは出て行くと思われます。そうすると賃貸料を$700ぐらい上げられるので、途中で経営はずっと楽になるはずです。上記の二つの試算は非常に固めの計算だと思ってください。

 

 またもう一つ声を大にして言いたいのは、この物件は将来家賃を値上げできるポテンシャルがあるという点はものすごくいいのですが、現在の家賃と価格だけを比較した場合「普通の人はなかなか探せない恐ろしくお得な物件」などではない、ということです。世の中には、普通にはありえないお得な物件を例にして「ものすごく儲かる」話だけをする人がいますが、これはそうではありません。実際につい最近私がお手伝いして物件を買った人を例にして、多少数字を単純化しただけですので。

 

 ということで、私は個人的に住宅不動産投資はとてもいい投資だと思っています。

 

ただ「物件を買ったエリアの治安が突然悪化、テナントがみんな出て行ってしまう」とか「全米の景気が悪化、賃貸料が半減」とかという、確率は非常に低くても絶対にありえないとはいえないリスクはもちろん存在し、ここでは書ききれませんが、そのようなリスクを減少させる方法も存在します。

 

 投資はやはり個人責任。これまで書いてきたことも単なる試算の域を出ませんし、将来収入などを保証するものではないことをご了承ください。実際に物件を購入するにあたっては、いろいろな要素をご自分でよく考えてみる必要があると思います。ご質問があれば、いつでもお答えいたしますので、お気軽に御連絡ください。

Image: thephotoholic / FreeDigitalPhotos.net

 

フォークロージャー物件ーこれからどうなる?

お客様とお話していると時々「フォークロージャー物件が近い将来ドッと出るという話を聞いたから、今買うのはやめておく」とおっしゃる方がいます。どこやでそういう話を聞いたかたずねると、その元はテレビのニュースなどの全国レベルのフォークロージャーのトレンド。検討しているローカルな地域にそれが当てはまるかどうかわかりません。

ここでは南カリフォルニア、ロサンゼルスのフォークロージャートレンドについてみてみましょう。

全体的にみるとロサンゼルス近辺ではここ一年、フォークロージャー物件の出方はほぼ一定しています。

Graph of Foreclosure Inventories in Los Angeles County
06037 – Foreclosure Inventories
 

このグラフはロサンゼルスカウンティのもので、赤が銀行所有物件数、緑がプリフォークロージャー(ローンの支払いが遅れているがフォークロージャーセールの日はまだ予定されていないもの)、青がフォークロージャーセール日予定済みのもの。プリフォークロージャーが夏にちょっと増えているのが気にはなりますが、数は大体一定。去年に比べるとプリフォークロージャー、フォークロージャーセール予定済みともに2割程度去年の同時期よりも減っています。つまり銀行の在庫となる数は今はほぼ去年と同じだけれど、将来の入庫は減っているということで、このままうまくいくといつかは徐々に銀行在庫も解消されていくのではないでしょうか。

次のグラフをみてみましょう。
これによると物件がプリフォークロージャーになってから市場に出るまではなんと1年ぐらいかかり、銀行所有になってからは8ヶ月ぐらいもかかることがわかります。ということで、先ほどのグラフで見た入庫量の動きが実際のフォークロージャー物件リスティング数に影響を与えるのは1年ぐらい先、ということがわかります。しかもこの期間は10%ぐらい去年に比べて伸びています。

ということで、ロサンゼルスカウンティを見る限り、これから1年の間にフォークロージャー物件がドッと増えるような前兆はありません。銀行はたくさんの物件を所有しているので、彼らのさじ加減しだいであるときドッと出したり出さなかったりはできるかもしれませんが・・・。ただ普通に考えれば、彼らのスタッフの数は決まっているわけだし、使っているブローカー数もある程度一定しているでしょうから、全体的な環境に大きな変化がない以上、今やっている数ぐらいをずっと定期的に出していくのが一番ありそうな展開のように思えます。

皆さんはどう思われますか?

ちなみは以下はロサンゼルス市の統計です。その他の市についてお知りになりたい方、関連するほかのデータを見たい方はご連絡ください。

ショートセールって何?

最近よく聞くのがショートセールと言う言葉。住宅物件をお探しの人は特に良く耳にすると思います。ここではショートセールとは何かを出来るだけ簡単に説明してみましょう。

 ショートセールとは、「不動産物件の持ち主が物件をローン総額よりも安く売って、その売り上げをローン会社にすべて渡すかわりのローン残高をすべて支払ったことにしてもらう」という取引のことです。

 不動産価格が下がった結果、多くのオーナーは物件の現在価格よりも多額のローンを抱えています。こういう状況で「リストラされる」「家族の誰かが病気になる」などの事態に遭遇し、毎月のローンの返済がままならなくなると、大変困ったことになってしまいます。不動産価値暴落以前、不動産価格がローン総額を上回っている状態なら、家を売ってローンを全額返済してもおつりが来るので問題なかったのですが、現状では家を売ってもローンを全額返せません。

 そこで登場するのがショートセール。銀行に交渉して「家を現在のマーケット価格で売ってそのお金を全部あげるから、それでローン返済は終わったことにしてほしい」と交渉するのです。ローン会社としては「ローン残高-不動産現状価格」が回収できず大損になってしまうわけですが、多くの会社はなんとこのような交渉に応じます!それはなぜかというと、毎月のローン返済ができない人に「金を返せ」といくらいい続けても、無い物は出せません。最終手段は抵当として家を取り上げるしかないのですが、それをやっても結局は現状の不動産価格分しか手に入らない。しかも会社側は取り上げた不動産を自分で売らなければならず、それにかかる手間や時間が大変です。そんなことをするくらいなら、オーナーに売ってもらってローンの残高をチャラにした方が楽だし得、ということになるのです。

 ただし銀行としても、本当はローンの返済能力がある人にショートセールを認めてしまっては損なので、その人が本当にローンを返せないのかどうか審査します。多くの場合、利子を負けてあげたり、返済期間を延ばしてみたりして、なんとかローンを返済させようとします。そんな風にいろいろやってみても「どうしても無理、この人はローンが返せん」という場合がショートセールになるわけです。

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 家を探している人がここで気をつけなければならないのは、MLSなどに「ショートセール」として掲載されている物件は、上記のような交渉がまだ終わっていないどころか、始まってすらいない!! ということです。銀行とのショートセールの交渉は「この金額で喜んで買ってくれるバイヤーがいる」ということが分かって初めてスタートします。ということなので、ショートセールに対してオファーを出してそれにオーナーがサインしてくれても、それで物件を買える保障ができたわけでは全然ありません。そこから初めてオーナーと銀行との交渉が始まるので、結果がどうなるかはオファーが通った時点ではまだ分からないのです。しかもこの交渉には1-3ヶ月、ひどいときには1年以上かかってしまいます。(時間節約のためには通りそうなショートセールと駄目そうなショートセールを事前にある度見分けることが大切です。)

 

さらに事態を混乱させているのは、エージェントの中に「とにかく銀行との交渉を早くスタートさせよう」としてショートセール物件を破格の安値でリストする人がかなりたくさんいる、ということです。安く出せばすぐに買い手が見つかります。かれらは早く買い手を見つけ、ショートセールの書類一式をローン会社に送りつけ、一刻も早く何ヶ月もかかるかもしれないプロセスをスタートさせようとするわけです。その場合、仮にショートセールをすることはOKになっても、そんな破格の安値がローン会社に認められるわけがありません。しばらくするとローン会社は自分で雇っているブローカーに頼んで正しい値段(BPOと呼ばれます)をつけてきます。破格の値段だからといって応じた初めのバイヤーはローン会社のつけた正しい価格を見てびっくり仰天。買うのをやめてしまうことも多いのですが、リスティングエージェントとしてはそんなことはとうに計算済み。そこで新たに「アプルーブド(Approved 認められた)ショートセール」として物件をMLSにリストし、初めて本気で買い手を捜し始めるわけです。ということなので、ショートセールの激安物件があったら「これは本当の価格ではない」と思った方が無難。単に安いからではなく、「もしも値段が普通でも自分は買う気があるだろうか」を考えた方がいいと思います。

 

アプルーブド・ショートセールを買うのにかかる時間はほぼ「普通」の物件と同じ考えていただいていいと思いますが、一般ショートセールに初めから付き合うのは大変です。とはいえローン会社がつけてくる価格も通常セールものに比べれば割安なことも多く、特に物件を買うのを急いでいない人、予算が非常にタイトな人はショートセールを探してみるのもいいかもしれません。ショートセール物件を買うには、ここに書いた他にもいろいろと知っておくべきことがありますので、詳しくはお電話等でユカリ・トラヴィスまでお気軽にご相談ください。

バイヤーズエージェントとリスティングエージェント

日本では不動産エージェントは売り手と買い手の両方を受け持つ場合が多いですが、アメリカでは売り手と買い手に別々のエージェントが付くのが普通です。

売り手を代表するエージェントは「リスティングエージェント」、買い手を代表するエージェントは「バイヤーズエージェント」と呼ばれています。

 エージェントのコミッションは売り手が一括してリスティングブローカーに支払い、通常はその半分がバイヤーズブローカーに支払われます。各エージェントはそれぞれのブローカーから一定割合の収入を得ます。ということなので、買い手は自分のエージェントにコミッションを支払う必要はありません! (ブローカーによっては小額の手数料をバイヤーにチャージすることもあります。)つまり、買い手はほとんど無料でサービスが受けられるわけです。

 ということで、家を買うときにバイヤーズエージェントを使わない手はありません。

 バイヤーズエージェントは物件を見せるだけがその役割ではありません。

 住宅の購入には交渉がつきものです。購入価格、修理代のクレジット額、クロージングの日付などなど、売り手と買い手が対立しがちな交渉ごとはたくさんあります。売り手を代表するバイヤーズエージェントは、そのたびに売り手の立場が有利になるように、買い手の利益だけを考えて交渉を進めます。ですのでオープンハウスなどで家を見て、既に買いたい家が決まっている場合でもバイヤーズエージェントを使うことをお勧めします。

 アメリカでの不動産契約には百ページを超える契約書や関連書類が絡み、サインしなければならない書類の数も半端ではありません。特にフォークロージャー物件を買う場合、銀行側から来る書類は細かく注意して読む必要があります。バイヤーズエージェントはそのような書類についての質問にもあくまでバイヤーの立場に立って答えます。

 「コミッションの出所は売り手。バイヤーズエージェントも結局は売り手の利益を考えざるを得ないのでは?」という人もいますが、そんなことは普通はありません。何かの理由で交渉が決裂しても、買い手が別の家を買うときにバイヤーズエージェントは収入が得られます。なにも今の交渉相手におもねる必要はないのです。

 バイヤー専門のエージェントも稀にはいますが、不動産エージェントはバイヤー側、リスティング側の両方をこなすのが普通です。私も両方やらさせていただいております。家を探している方、買おうかどうか考え中の方、どうぞお気軽に御連絡ください。

image: tungphoto/freedigitalphotos.net

Conforming Loan限度額引き下げ?- 元の基準に戻りました!

住宅ローンにはいろいろな分け方がありますが、そのうちの一つが一つがジャンボローン(Jumbo Loan)とコンフォーミングローン(Conforming Loan).

 住宅ローンを借りる場合、政府が決める基準に合ったローンは基準に「従っている」(Conforming)のでConformingローンと呼ばれています。Conforming Loanは銀行やローン会社からFHA, Fannie Mae, and Freddie Mac などの政府関連団体(GSEs) に引き渡され、そこから投資商品として投資家に売られます。政府関連団体が間に入ることで幅広い投資家層から資金を集められるので、利子がそんなに高くないのが特徴。ローンを貸し出した銀行やローン会社は自分で資金を集めなくていいのです。

 基準に従っていないローンはnon-conformingまたはJumbo Loanと呼ばれます。このようなローンは政府関連団体が買い取ってくれません。そうなるとローン用の資金集めが大変になるので、利子がやや高くなります。

 このConformingかどうかを決める基準のうち、もっともインパクトがあるのが住宅の価格。この価格はたびたび変更されるのですが、今のところロサンゼルスやその周辺エリアのリミットは$729,950. ところがこの価格は特別措置で引き上げられているものなので、有効なのは今月末まで。このままで行くと来月からは$625,500に引き下げられてしまいます。今議会で現状の基準を何とか延長しようという努力が続けられていますが、成功していない様子。

 $625,500はローン額なので、頭金が20%だとすると概ね$781,000以上の家を買おうとするとJumbo Loanになってしまうことになります。私のマーケットエリアだと大体の家は引き下げ後でも大丈夫ですが、ラキャナダ、パサデナ東部、シエラマドレ、ラキャナダ、マウントワシントンの山の上などで3-4寝室の家を購入しようとする方には影響が出てしまうかもしれません。

12・6・11追記

結局ローン限度額をこの不景気に引き下げるのは得策ではないとの判断から、元の基準に戻りました。めでたし、めでたし。

 

 

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